絵本・書籍紹介new
1 教室はまちがうところだ
”伸びやかな教室づくりをこの絵本が応援してくれる”
「わかった人」「できた人」授業を進めていく先生の問いかけはこんなことばではじまります。わからなければ、できなければ手をあげることなどできません。小さくなってだまりこくって、それでもやっと手をあげて答えたとき、先生は「うん、そうね、ほかに」とあいまいなことばをかけたまま・・・。先生の目は、確かな答えをしてくれそうな人へと移っていきます。
そのときの子どものさびしそうな顔がうかびます。
教室はまちがうところ、まちがいながら答えを探していくところーーそのことがしっかりとわかっていたらどの子もどんなにか楽しく授業に参加できるでしょうに。 宮川ひろ(児童作家)
《作者のことば》”感動して子どもは目覚める”
この絵本の詩は中学校で二年八組を担任したとき、学級新聞「はだかんぼ」で生徒に呼びかけた詩です。何年かたって大阪の大隅小学校の三年生のクラスから「安心してまちがいや!」という感想文集が送られてきました。原稿用紙に書いた一人ひとりの手紙も入っていました。私は度肝を抜かれました。中学生への呼びかけに小学校三年生が応えてくれたのです。どの感想文にも、手紙にも、喜びがあふれていました。 蒔田晋治
2 子どもの権利って なあに?
アラン・セール
この絵本を通して、1人でも多くの子どもが、子どもの権利条約に興味を持ってくれることを願います。 大谷美紀子(国連子どもの権利委員会委員)
食べ物を得る権利に始まり、水を飲む権利、家に住む権利、学校に通う権利・・、たくさんの権利について取り上げています。こうした権利は地球上に住む全ての子どもが持つものです。「肌の色が違っても、小さくても大きくても、お金持ちやそうじゃなくても、この国で生まれても他の国で生まれても」持つ権利なのです。
《関連書籍》
3 いのちのまつり
「ぼうやにいのちをくれた人はだれね~?」
「それは・・お父さんとお母さん?」
「そうだねえ。
いのちをくれた人をご先祖さまと言うんだよ」
「ねえ、おばあさん、
ぼくのご先祖さまって何人いるの?」
コウちゃんは、指をおって数えてみることにしました。
すると・・・。
いのちの旅は終わらない。いや、終わらせてはいけないのである。
「無限」という可能性を秘めて、いま、光り輝いているいのちの物語を1人でも多くの人々に伝えてほしい。 草場一壽
4 うまれてきたんだよ
生まれて3年で死んでいったぼく。
いつもなぐられて、おなかをすかして、せまいところにとじこめられて、ひもじくて紙を食べて、なにもしゃべらず、夢にうなされてはめざめ、起こされ、ふるえ、けもののこえでほえていたぼく。
わらうって どんなこと?
わらったかおって どんなかお?
ぼくはわらったの?
だっこって なあに?
「いいこ いいこ」ってなあに?
子どもは愛されなければなりません。愛されて生きる権利があるのです。
いのちについて考えさせてくれる本です。(事務局)